どうも。よー@看護師です。
今回のテーマは、
看護師のタトゥー(入れ墨)はアリ?ナシ?賛否両論まとめてみた。
と言うことでこの記事の概要です。
- 看護師のタトゥー(入れ墨)はダメなのか
- 看護師のタトゥー(入れ墨)に関する様々な意見
- 海外の看護師のタトゥー(入れ墨)事情
こんな看護師さんの疑問や悩みを知ることができる記事になってます。
先日Twitterでこんな質問をしたところ、たくさんの意見をいただくことが出来ました。
※よー@看護師の別垢です
看護師さんはもちろん、一般の方、医者、放射線技師、海外の看護師さんまでたくさんの意見を聞くことが出来ました。感謝します。
今回は、「看護師の倫理とは」という部分に触れながら、Twitterで頂いた皆さんの意見を踏まえ(紹介させて頂きながら)
「看護師のタトゥー(入れ墨)」について良いのか。悪いのか。解説していきたいと思います。
結論から先回りしていうと、
なんだか限りなくグレーな感じだぞ…?
ですかね。笑
ただ、今回Twitterからの意見は専門家や一般の方、バラエティに富んだ意見のため、看護師だけどタトゥーを入れたくて悩んでいる方、看護師のタトゥーに克を入れたい方、関心のある方が読むと発見があるかもしれません。
では宜しくおねがいします。
この記事の目次
看護師のタトゥー(入れ墨)はダメなのか
「看護師のタトゥーはダメなのか」という議論に対してまず、確認しておく必要がある項目をまとめました。
- 日本看護協会の看護者の倫理綱領
- 保健師助産師看護師法の明記
- 仕事に支障はないのか
- 感染症について
- 世間のイメージとしてどうなのか
これらがパスできないとタトゥーを入れるにしろ仕事がしずらいかと思います。
実際に、自分の知り合いの看護師は、タトゥーが入っている事で職場に消すように命令されていました。(結果皮膚移植で消したようです)
また、看護学校の学生がタトゥーが入っていることを理由に学校側より休学処分を命じられ、学生が提訴している事案もあるようです。
タトゥーを消す命令もタトゥーによる休学処分ついても処分に対する”明確”な根拠や理由の真意は分かりませんが(タトゥーだめ!と言うだけで)、
なんだか「風当たりは強そうだぞ」
というのは感じますよね。
では、各項目を確認していきましょう。
日本看護協会の看護者の倫理的綱領
まず日本看護協会の「看護者の倫理綱領」とは、下記のように記してあります。
病院、地域、学校、教育・研究機関、行政機関など、あらゆる場で 実践を行う看護者を対象とした行動指針であり、自己の実践を振り返る際の基盤を提供するものである。 また、看護の実践について専門職として引き受ける責任の範囲を、社会に対して明示するものである。
日本看護協会「看護者の倫理綱領」
つまり「看護師たるもの」がここに全て記してありますよ。という事なんですが、
この倫理綱領には13の条文があり、そこで今回の「タトゥー」に関連する項目があります。
13.看護者は、社会の人々の信頼を得るように、個人としての品行を常に高く維持する。
日本看護協会「看護者の倫理綱領」
恐らく、世間一般的な考えとすると「タトゥー=反社会的勢力」という考え方が現在の日本には少なからずあるでしょう。年齢を重ねれば重ねるほどその傾向は強く残る印象です。
そのため上記の引用文の「社会の人々に信頼を得られるように」の部分に関して、タトゥーが患者さんに見えてしまうと、
この部分はクリアすることは今の日本の一般的な考え方では難しい部分があるのかなぁと推測します。
しかし、タトゥーが身体に入ってたとしても職場に理解をしっかりと得た上で働いている看護師さんもいました。
このようにタトゥーを職場に容認してもらい、看護師として活躍している方もいらっしゃるのも事実です。他にもこんなご意見も。
この看護師さんも同様にタトゥーを入れている方ですが、看護師として活躍しているようです。
見えていなければ、患者さんからすると入っていないのと同じ事なのかぁと思ったのですが、
しかし、こんな意見も
様々な意見ありがとうございます。
つまり、看護師の倫理綱領13条「社会の人々の信頼を得るように、個人としての品行を常に高く維持する。」という文言ですが、どうしてもこの文言は個人の捉え方で左右する。事がわかります。
私としては、問題なく働いている看護師さんが現に存在していますので、一概に否定はできないかな。と感じているところです。
結論→日本看護協会の看護者の倫理綱領は各々の捉え方次第!
保健師助産師看護師法
まずは、保健師助産師看護師法とは。についてですが簡単に抜粋です。
第一条 この法律は、保健師、助産師及び看護師の資質を向上し、もつて医療及び公衆衛生の普及向上を図ることを目的とする。
この保健師助産師看護師法内容としてタトゥーに関連した項目としてはこの2つがあります。
(欠格事由)
第九条 次の各号のいずれかに該当する者には、前二条の規定による免許(以下「免許」という。)を与えないことがある。
一 罰金以上の刑に処せられた者
二 前号に該当する者を除くほか、保健師、助産師、看護師又は准看護師の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者
三 心身の障害により保健師、助産師、看護師又は准看護師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの 四 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
(免許の取消し等)
第十四条 保健師、助産師若しくは看護師が第九条各号のいずれかに該当するに至つたとき、又は保健師、助産師若しくは看護師としての品位を損するような行為のあつた ときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。
一 戒告 二 三年以内の業務の停止 三 免許の取消し2 准看護師が第九条各号のいずれかに該当するに至つたとき、又は准看護師としての品位を損するような行為のあつたときは、都道府県知事は、次に掲げる処分をするこ とができる。
一 戒告 二 三年以内の業務の停止 三 免許の取消し
この2つの項目は、タトゥーが入っているために法的に処分される事が相当かどうか。という内容の趣旨が含まれています。
この文章を解説するのは難しいため、厚生労働省医政局医事課試験免許室(03-3595-2204)に確認しました。(ここは、保助看法に基づいて免許の取り消しなどを厚生省が教えてくれるところです。)
結果は、保助看法よりタトゥーの有無で罰則等の明記はありません。
つまりタトゥーが入っているが為に罰則等されることはありません。という回問です。
まぁ当然のようですが、タトゥーの有無は個人の自由という事です。
結論→タトゥーは個人の自由!罰則は無し!
仕事に支障はないのか
この件に関して踏まえておく必要がある項目はこの2つです。
- 職場の理解
- 業務上への支障
職場の理解
「職場の理解」はかなりハードルが高いのではないかと思います。
詰まるところ、タトゥーが入っている看護師は職場への報告義務があるかどうか。が重要になってくるのではないかと。
恐らく、タトゥーが見えていないところに入っている看護師さんで職場に許可を直接もらっている看護師さんはそう多くはないと思います。
職場への報告義務の有無はやはり、業務に支障が出るかどうか。かと思いますので、タトゥーの有無での業務上への支障が出るかについてです。
業務上への支障
見えていないタトゥーが前提なのですが、自分(よー@看護師)に置き換えると看護師の一般業務に支障は無いかと考えます。
MRI(身体の内部を撮る検査の事)について業務に支障が出るのではないか。という意見もありましたが、
「放射線技師からのご意見もあり、放射線技師の方の中にもタトゥーが入っている人もおり、業務上の支障は出ていない。」とのことでした。
従事している人にタトゥーが入っていても問題ないとすれば、看護師業務では問題ないのかもしれませんね。
結論→タトゥーが入っていることで仕事に支障はない可能性あり!
タトゥー(入れ墨)の感染症の問題について
看護師×タトゥーに関して認識する必要がある感染症として、肝炎ウイルスがあります。
なぜ肝炎ウイルスなのかというと、タトゥーは針を身体に刺しデザインを作成してくため、お客さんが変わるたびにその針を変えていれば問題ないのですが、使い回していれば罹患のリスクは非常に高くなります。(肝炎ウイルスは血液感染するためです。)
現在針の使い回しなどチェックする体制は整っていないようで、つまり、彫り師の裁量に任せる他ないのが現状です。
これらの事で、感染症問題が浮上したと思うのですが、私は彫り師の実際など知らないですし、感染症対策について普及しているとの意見もありますが、実際のところ分かりません。
ただ、確認したい事とすれば、感染症を持っていたら看護師は出来ないのか。という点です。
ちなみに私もHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)に感染しています。つまり私は、患者さんなどの他者に自分の病気を移してしまう可能性を持っている。という事です。
そんな私ですが、今の所問題なく看護師を続けることが出来ています。恐らく感染症に対する知識や感染リスク管理(どうしたら感染を防ぐことが出来るのかなど)に対する技術を持っているからかもしれません。看護師さんなら誰しもが知識・技術を持っているでしょう?
例えば、万が一の場合に肝炎ウイルス感染したとしてもしっかり対応していれば仕事に支障が出ることは無いのではないかな?と感じます。
Twitterのリプ内には、こんな意見も。
私自身自分の感染症について気にしないようにしていた部分もあった為か、自分のことを肯定してくれたような気がして(勝手に)勇気づけられたのは内緒です。
結論→感染するか否かは、彫り師さんによる。感染者が仕事できない事はない。
看護師のタトゥー(入れ墨)に対する様々な意見
看護協会の看護者の倫理的綱領13条「社会の人々の信頼を得るように、個人としての品行を常に高く維持する。」は、この世間のイメージが大きく影響しているのかと考えられます。
つまり、その他大勢の意見が「タトゥーOK!」という意見であれば、そもそもこの問題(議論?)は発生していないかと。
そこでここでは、タトゥーに対してこの3つの項目で解説していきます。
- 患者さん目線では
- 世間のイメージとは
- 看護師のイメージは
この様な意見がある。と言った感じで認識できればと思います。
患者さん目線では
まずは、こんな意見から。
看護師として患者さんの気持ちを考える。ではなく「自分が患者として想像する。」という視点で考えると、
自分が手首までタトゥーが入っている看護師さんに点滴や採血などされるのを想像すると
あ、ちょっと怖いかも。と思うかもしれません。
なぜ手首までタトゥーが入っている看護師で想像したんだよ。居るかよそんな奴。って感じですが…。 タトゥーが小さくても大きくても見えた時の自分の感情の量が大きいのか小さいのかの違いとの解釈でその様にしました。
ちなみに私の周りにもタトゥーが入っている人が割と多くいます。首から足まで入っている人もいます。
なので自分は「タトゥーに対して偏見はない」と自負しておりましたが、自分が患者としてタトゥーの入っている看護師相手に(しかも手首までタトゥーが入っている看護師)想像したことで、自分の中にも偏見はあるのかも。と知りました。
自分は偏見はない。と思っている方も一度想像してみると良いかもしれませんね。
世間のイメージとは
先程も記述させていただきましたが、「タトゥー=反社会的勢力」というイメージを世間が少なからず持っている事は間違いないでしょう。
現状は”風当たりが強くても”不思議ではないかと。
ただ、「看護師のタトゥーはダメなのか」という議題に対し肯定的な意見が多く聞かれたのは、時代の流れなのでしょうか。
Twitterの意見が全国民の意見ではないのは承知ですが、世間のイメージが変わりつつあるのもまた事実なのではないでしょうか。
看護師らのイメージは
看護師が看護師のタトゥーに対してどう思っているのか。について40名近くの回答のうち30名程が看護師さんからの回答でした。感謝します。
その看護師30名のうちタトゥーに対して肯定的な意見を持っている意見の方は、20名程でした。
Twitterのリプ(返信)の紹介です。こちらにも様々な意見がありました。
私達の同志である看護師の中でも様々な意見がある事がわかりました。
海外の看護師のタトゥー(入れ墨)事情
では海外の看護師のタトゥー事情はどうなのか。今回、オーストラリア・カナダのタトゥー事情について回答いただけました。本当に感謝です。皆さんに見て頂きたいので紹介させていただきます。
まさか、海外でも看護師の袖からタトゥーは見えていないと思っていましたが、そんな事なかったみたいです。。。世界は広し。
国民の意見や価値観が違うと、日本では考えられない事がタトゥー1つとってもこんなにも違うのですね。
海外の看護師の業務が日本の看護師の業務内容と大差無いとするのであれば、タトゥーが入っていたとしても看護師業務に問題はない。という事が証明される事になるのでしょうか?
つまり日本では看護師のタトゥー(入れ墨)はダメなのか。
各項目でまとめますと、下記のようになりました。
- 日本看護協会の看護者の倫理綱領は読んだ人の捉え方次第。
- 保助看法では罰則規定は無い
- タトゥーが入っていることで仕事に支障はない可能性あり!
- 感染症を持っていても看護師として働くことは出来る。
- 世間的にタトゥーは「風当たりが強い」かも
私の見解としては「入れないに越したことはない」なのですが、タトゥーで免許を剥奪される事はありませんが、職場に理解を求めるのであれば、制限されることでしょう。
意見の中にあったように、今の日本ではタトゥーで昇進などに制約がかかるかもしれません。
消すように命令されるかもしれません。(クビになるかどうかは知りませんが。)きっとその裁量は、職場によってなのだと思います。
タトゥーを入れるにしろ、世間のイメージや仕事への制約や感染症やなどしっかりと踏まえる必要があると思います。
まとめ
きっと、昔では考えられなかった議論(看護師×タトゥー)だったでしょう。
これが時代の流れなのかもしれません。
私はこの流れが、どのように変わっていくのか楽しみだったりします。
では最後に個人的に 「確かに〜」 と思ったリプ(返信)で最後です。