どうも。看護学生時代に日本学生支援機構から奨学金を借りた事で42歳まで返済しなければならないDJ看護師です。。。
今回のテーマは、
【看護師】お礼奉公は返さないで良い?病院の常識
という事で、看護学生中に病院などから奨学金を借りていた看護師さんは少なくないかと思います。
借りていた奨学金を一定期間働くことで免除される、すばらしい制度があります。この制度を利用し、看護師として働く期間を【お礼奉公】なんて言いますよね。
しかし、【お礼奉公】期間中に様々な理由で退職したい。転職したい。と思っていても返済はどうなるんだろう。辞められるのかな。なんて思って二の足を踏んでしまう事があるかと思います。
この記事では、
- お礼奉公中に退職することは出来るの?
- お礼奉公中に妊娠したらどうなるの?
- 返済はどうなるの?
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この記事の目次
【看護師】お礼奉公とは
お礼奉公とは、看護学生中に病院等からお金を借り(奨学金)、指定の病院に一定期間勤めることで免除される制度で、その期間中の事を【お礼奉公】と俗に言います。
なまいきパンダ
子ぶた後輩
ここで「病院等」と記したのは、お礼奉公では奨学金を借りる先が主に2通りあるからです。
- 都道府県・市町村による奨学金制度
- 病院やその病院グループ独自の奨学金制度
この場合、どの様に違いがあるのか簡単に説明しましょう。
都道府県・市町村による奨学金制度とは
各都道府県や市町村では、看護学生が看護師となってもなお県内で働いてもらうために、看護学生への奨学金制度を実施しているところがあります。
都道府県や市町村での奨学金制度を利用した場合、基本的には奨学金を借りた代わりにその都道府県や市町村の指定の病院で一定期間働く事を約束されます。
期間としては、主に3年〜5年の期間が多いでしょう。
奨学金制度の契約時に必ず、契約書があるため確認してみて下さい。
病院やその病院グループの奨学金制度とは
個人の病院やグループ病院の奨学金制度では、個人の病院、またはグループ病院の看護師不足を解消させるために独自の奨学金制度をつくり、勤めてもらう為に実施しています。
この場合は、基本的に奨学金を借りた代わりにその病院やそのグループ病院で一定期間働くことを約束されます。
期間としては主に3年〜5年の期間が多いです。
この場合も奨学金制度を契約した時に、契約書があるため確認して下さい。また、独自の奨学金制度のため、
お礼奉公中の退職の場合などの詳しい内容が書かれていないケースもあるので(下記にて詳しく)今一度確認しましょう。
【看護師】お礼奉公中に転職・退職はできないの?
結論から言いますと、転職や退職をすることは可能です。
お礼奉公中は、病院を辞めることが出来ない。と思っている看護師さんいますが、辞めることは可能です。
しかし、お礼奉公中に退職する場合に、
- 法律的に問題はないのか。
- 返済はどうなるのか。
お礼奉公中の退職は法律的に問題ない?
お礼奉公中の退職は法律的に問題ありません。金銭の貸与(奨学金)を理由に看護師の退職を妨害することは許されていません。
また、病院側が「違約金」を請求するケースも稀にあるようですが、この場合は病院が労働基準法に違反している可能性があります。
・労働基準法第14条
労働契約は3年を超える期間について契約してはいけない(例外あり)看護師が退職を申し出たとき、「5年間は働く約束になっている」など看護師に不利な条件を提示して強引に退職を引き留めようとすると、病院は労働基準法に違反している可能性が出てきます。
・労働基準法第16条
労働契約の不履行について、違約金の定めや損害賠償額を予定する契約をしてはいけない労働基準法では労働契約の際に、「途中で退職する場合には違約金を支払うこと」など違約金を定めることや、「損害を与えた場合には100万円を支払うこと」など損害賠償額をあらかじめ決めておくことを禁止しています。引用:マイナビ看護師
つまり、お礼奉公中に退職を申し出た場合に「あなた、お礼奉公中でしょ?辞められないわよ。」などといった上司の決まりまり文句は、労働基準法に違反している。ということでしょう。
しかし、辞めることは出来ますが、奨学金の返済をしなくて良い。という問題ではありません。あくまでも違約金についてです。
お礼奉公中に退職となった場合は、一括返済を求められる事が多いようですが、下記にて詳しく説明しましょう。
退職した後の返済はどうなるの?
【大阪地裁平成14年11月1日判決労判 840号32頁の判例】
「一定の勤務期間を全うしないで退職するときには全額を一括して返済させる旨を定めるものについては,労働基準法14条,16条に違反して無効である。」 (参考:弁護士ドットコム)
実際に、お礼奉公中に退職となった場合に、病院側から奨学金の一括返済を要求された事案が合ったようです。この裁判では、上記のように一括返済について無効。と判決を出しています。
この裁判では「一括返済は無効」となっただけで返済しないで良い。というものではありません。
つまり、返済義務は借り主にはあるのですが、返済方法については、奨学金の契約書に必ず記載してあるはずです。しっかり確認しましょう。
実際の例としては、私が働いていた病院では分割返済をすることが出来ました。ここで出てくる疑問として、お礼奉公の期間が途中でも全額支払わなければならないのか。という問題です。
返済額とお礼奉公の期間について
ある病院の奨学金とお礼奉公の期間を記した表があります。
この病院では、途中で退職した場合に勤続年数に対して、奨学金の返済金額を明確に示しています。
他にも、「勤続年数3年で全額免除。勤続年数2年で半額免除」などと言った規定を設けている病院もあるそうです。
つまりは、奨学金制度を設けている病院は、この様な基準を設けている場合があり、病院によって基準が違う事が多いのでしっかり確認する必要があるでしょう。
【看護師】お礼奉公中に妊娠をした場合は?
では、お礼奉公中に退職した場合について解説してきましたが、お礼奉公中に「妊娠」した場合にはどの様になるでしょうか。
お礼奉公中の妊娠で考えられる事とすると、
- 退職することは可能?
- 産休・育休を取ることが出来るのか?
- 産休などの期間はお礼奉公期間に入るのか?
看護師が妊娠した際の退職は可能?
お礼奉公中に妊娠した場合でも、退職することは可能です。妊娠の有無に限らず、労働環境の選択の自由があるので問題ありません。
では、お礼奉公中だけど、産休・育休の取得は可能か。という問題も発生します。続いて解説していきましょう。
お礼奉公中の産休・育休は取得可能?
妊娠した期間がお礼奉公中であろうと無かろうと、産休・育休を取得することは可能です。
これは、労働基準法に定められている権利として主張することが出来ますので、問題ありません。
しかし、ここで疑問は発生します。
お礼奉公中
↓
妊娠
↓
退職OK・産休・育休OK
↓
お礼奉公中の産休は、お礼奉公期間に含まれるの?←ココ
という事で、下記にて解説していきましょう。
産休等の期間はお礼奉公一旦ストップ?
奨学金を貰っている病院によると思いますが、お礼奉公中に産休を取得した場合は、ほとんどの場合に「お礼奉公期間外」となる事が多いようです。
産休・育休に限らず、病気や怪我などの理由で職場に出勤していない期間はお礼奉公として換算されない事が多いでしょう。
奨学金を貰い、お礼奉公中の看護師さんは長期に渡り職場を休む場合は、しっかりと病院に直接確認する必要があります。
【看護師】返済の負担を減らすためには
とにかく、「借りたお金は返す」は原則ですよね。なので、退職する際にはしっかりとお礼奉公に関する契約書を確認する必要がありますし、
返済基準が決まっていたとしても退職した後にどのように返済していくか。については病院としっかりと話し合っておく必要があります。
その時大切なのは、今までお世話になった職場に配慮して、あくまでも協力的な態度で退職交渉をすることです。
では、返済するにも「お金がない」状態では返済できません。返済するためになるべく負担を減らすためにはどの様な方法があるのか確認していきましょう。
お礼奉公の分割払い
先程のある病院の奨学金とお礼奉公の期間を記した表を参考にします。
このように期間に応じた返済額は決まっている病院は毎月の返済額も決まっている病院がほとんです。
しかし、毎月の返済額が決まっていたとしても病気や怪我などの理由で退職する場合など「金銭的に不自由」が予想される場合は、病院に相談すると言いでしょう。
何故かと言うと例えば、上記の残金120万円を返済する場合にこの病院では月々5万円の返済基準があるとすると、毎月返済すると2年で完済することが出来ます。
しかし、病気や怪我の場合は毎月の返済が不可能ですよね?そういう場合は基準が決まっていても積極的に病院に相談して、
分割方法の変更や、返済の一時停止(休止)をお願いすることをオススメします。月々の返済金額を少なくしてもらった看護師や、一時中止してもらった看護師も実際にいます。
お礼奉公残金の肩代わりの病院
お礼奉公中の退職で返済額が残っており「お金がなくて支払えない」「支払いたくない」という場合にも方法があります。
それは、奨学金の肩代わりをしてくれる病院に転職することです。つまり、奨学金の残額を転職先の医療機関に立替てもらうということです。
これを「奨学金返済支援」や「奨学金立替制度」などと言ったります。
しかし、この方法は各病院によって返済方法は様々で、立替えてもらった奨学金の残金を給料やボーナスから返済していく方法が基本的です。
お礼奉公のように勤続年数に応じて、残金が免除されるような病院は少ないかと思います。
また、このような「奨学金返済支援」や「奨学金立替制度」などと言った制度を設けている病院の情報を収集することは中々難しいのが現状です。
理由としては、結果的に他の病院から看護師を引き抜くことになるので、同業他社に配慮して、表立っては立替をしていることを出さないようにしている医療機関が多いからです。
また、奨学金立替制度を利用するには、
・正職員として入職
・夜勤に入れること
などの条件がある場合が多いのでしっかり確認しましょう。webなどで調べることも出来ますが、やはり掲載している求人件数が極端に少ないです。
そこで、転職サイトなどに登録することで収集できる情報もありますので(制度がなくてもコンサルタントが交渉してくれます)登録するのもいいでしょう。
転職や退職に関しての記事もありますので参考になれば幸いです。
さいごに
いくら事前に情報収集をしたとしても看護師として働かないと自分がどうなるなんか分かりませんよね。
奨学金を借りる時なんて学生でもなく、ただの素人ですから、借りられる上に就職まで決まるなんてお得!って普通の人ならそう思うはずです。
誰もが【お礼奉公】中に自分がその病院を辞めるなんて思っていなかったでしょうし、辞める前提で借りる人なんていませんしね。
私は、お礼奉公中だからといって自分に嘘をついて嫌々その病院にいる必要はない。と思う派です。今までの感謝を込めて、辞めても良いんじゃないかな?って。
結局しっかりとお金は返す訳ですしね。
転職や退職に関して、多くの記事を書かせてもらっています。是非参考にして下さい。皆さんの悩みが少しでもあなたの為になりますように。