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看護師と介護士は仲悪い?施設で見た関係性とその理由

https://djkangoshi.com/wp-content/uploads/2018/12/102.pngお悩み看護師
  • なんで介護さんと看護さんは仲悪いんだろう?
  • 私達の考えをなぜ理解できないのだろうか。
  • 上手くやっていきたいんだけどどうしたら良いんだろう?

介護現場で疑問を抱えている看護師さんの悩みを解決できる記事となっています。

なぜなら僕は、派遣看護師として2年間で7施設の特養やサ高住やデイサービスや診療所、老健で働いていました。

その経験から、介護現場での看護師と介護士の考え方の違いにフォーカスを当てることによって、特養などのあるべき姿(職場)に近づけることが出来たからです。

記事の前半では、「考え方の違い」について解説しつつ、記事の後半では、「医者・看護師・介護士の捉え方」を具体的に解説し、解決の方法を記します。

この記事を読み終える頃には、看護師と介護士の考え方の違いを知るだけではなく、看護師と介護士がお互いに理解し合いながら仕事ができます。

今回は、精神科の研修で介護と看護の衝突に関して考察・理解が深まったことがあったので自分なりの解説をします。

考え方の違いが生む介護と看護の衝突

特養やデイサービスで「看護師と介護士さんの不仲説」はよく耳にします。

どこの施設でもなかなか結束して仕事が出来ないところがあります。

僕は、看護と介護が力を合わせれば、素晴らしい施設が作れると思っています。また「自分の親を将来は任せたい。」と思えるような施設にできると思っています。

でも出来ないところが多い原因の1つとし上げられるのは考え方の違いかもしれません。

ストレングスモデルと問題解決モデル

看護師と介護士の「不仲説」には、「考え方の違い」が原因の1つに上げられます。

介護士と看護師の基本的な考え方として、「ストレングスモデル」と「問題解決モデル」というモデルが存在します。

  • ストレングスモデルとは
  • 問題解決モデルとは

この2つの項目で、簡単に解説していきます。

ストレングスモデルとは

ストレングスモデル
患者さんやご利用者さんの夢や希望を実現させるために、患者の持つ長所や強み(=ストレングス)を活かした「できること」を大切に支援していく考え方のこと。

基本的に介護士が使用するモデル(考え方)で、その人がその人らしく、ありのままに。まさに介護現場の醍醐味でしょう。

利用者さんの「最期」をその人が望むようにコーディネートするのが介護士の仕事です。

まさしく介護現場に合った考え方ですね。

この「ストレグスモデル」は、今では病院(看護師)も取り入れている現場もあり、主流になりつつある思考モデルです。

問題解撤モデルとは

問題解決モデル
患者や利用者の「正常でない点」「出来なくては困ること」「やらなくてはいけないこと」に視点を置き、支援を行うこと。

基本的に看護師が使用するモデル(考え方)で、状態が不安定な患者が多い病院などの現場では、とても有効なモデルになります。

看護師は常に、生命に直結するトラブルを洗い出して、優先順位をつける訓練を日頃行っています。これが根本的な考え方で、

生命を「救う」「助ける」「延命する」が使命であり、仕事です。

現在は、「ストレングスモデル」を活用し始めている病院機関もあるのですが、主に療養病棟で使用されているのみです。

急性期病棟では、もっぱら「問題解決モデル」が活躍します。

考え方の違いの事例

この事例を通して、以下の項目で解説していきます。

  • 看護師の考え方
  • 介護士の考え方
  • 看護・介護の考え方の理想論
  • 拗れる考え方の事例
  • 看護・介護のそもそも論

事例の内容は「利用者の食事摂取量が減っている」という例を視点に考え方の違いを解説していきます。

看護師の考え方

細かい情報は省き、「一人の利用さんの食事摂取量が減っている」とします。

看護師の「問題解決モデル」から考えると、嚥下障害や倦怠の有無などの身体的問題にフォーカスを置きがちです。

どこかに問題があるから食事摂取量が減っている。と考えます。

看護師の考え方については、違う視点で今の職場を捉えるのも大切かもしれません。参考になる記事もありますのでどうぞ。

介護士の考え方

一人の利用さんの食事摂取量が減っている」利用者が存在する場合には、

介護士の場合「ストレングスモデル」から考えると、好きなものを提供することや提供方法の変更。趣味嗜好などにフォーカスを置きがちです。

どのようにしたら、本人の希望に沿った形で支援が出来るかを考えます。

看護・介護のモデルの理想論

細かい情報を抜きにして、極端に思考や解釈を解説しましたが、この様に同じ事例に対しても考え方と視点が違います。

違うことによって、一人の利用者の「食事量が減っている」事例に対して、相互(看護・介護)に意見を出し合い、その人に合った対応をする事ができる。

看護だけでは、偏った対応になってしまうかもしれないし、介護だけでは、身体的リスクを背負ってしまうかもしれない。

この2つのモデルは介護現場では大切な要素であって、違う視点から利用者を看ることが出来、最善な選択ができる理想の形と言えるでしょう。

拗れる考え方の事例

では、この事例に対して介護士が看護師に報告・相談したとします。

その場合、様々な情報共有した後に、介護士は「好きなものや提供方法」の提案を同時にします。

ここまでの看護師・介護士とのやり取り・情報共有に何の問題もありません。有意義なディスカッションになる予感すらします。

しかし、このやり取りで僕がよく出会うのは、「好きなものや提供方法」の提案を介護士がした際に多くの看護師は、

視点が違うんだよな。そうじゃなくて、その前に。」という感情を抱く看護師が少なくありません。

あとは、この繰り返しです。

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なまいきパンダ

え、なんか問題でも合ったか?

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子ブタ後輩

い、いや何も問題なかったと思うんですが…。

このやり取りとても優しく有意義に記載をしているのですが、今回のような事例を繰り返し行っていると看護師は、

  • 「この介護士さん本当に理解しているのかしら?」
  • 「この介護何度言ったら分かるの?」
  • 「そもそもが分かってない!問題はそこじゃない!」

と、変化してくる事がみられるのです。

このやり取りの繰り返しを行うことで語尾が強くなり、口調が強くなり、険悪な空気になることが多いんですね。

些細なことのように思えるのですが、ちょっとした考え方の違いが大きな溝に成りうるのです。

介護・看護のそもそも論

  • 「この介護士さん本当に理解しているのかしら?」
  • 「この介護何度言ったら分かるの?」
  • 「そもそもが分かってない!問題はそこじゃない!」

などと言ってる看護師は、僕が経験した施設全てで見かけました。結論的に、

そもそもが違うんだから、分かるわけない」のです。責めること自体間違っています。

きっとお互いに言っている(言われている)事はしっかりと理解しているのですが、利用者に対するフォーカスが違うことや、初期対応が違うので中々変える事が出来ない。

これが、「思考モデルの違い」が生む「看護師・介護士の不仲説」の要因の一つです。

看護師が自分の問題解決モデルが「正しい」と思うこんでいるように、介護士も同じ様に「正しい」と思っています。

この考え方の違い、モデルの違いを理解するだけで本当に有意義なディスカッションができるはずなのです。

看護師の介護士への捉え方

考え方のモデルの違いで生じる「看護師・介護士の不仲説」を解説しました。

この不仲説、もう少し深く掘り下げると、看護師・介護士の関係性や捉え方が根本にあるのかもしれません。

ここでは、介護現場で働いている看護師にぜひ、自分の考え方を見直してほしいので、以下の項目で解説しています。

  • 医者と看護師の関係性
  • 看護師と介護士の関係性
  • 看護師>介護士の問題点

医者と看護師の関係性

病院で看護師は「医者も看護師も平等」と訴える場面が度々見受けられる事があります。

出典:兵庫医療大学

現状看護協会の方針でも、患者に対して、医者も看護師も患者に関わる医療職者も上下関係はなく皆平等であり、コメディカルの1つである。としています。

実際に昔とは違い、「お医者様が言うことは絶対」という数十年前の名残は今ではほとんどみられなくなりました。

各職種は自分の仕事に誇りを持ち、責任を持ち、昔に比べ平等に意見を言えるようになりました。

看護師と介護士との関係性

社会福祉法人では、対象は患者ではなく利用者であり、生活の場です。病院ではないため医者が在中していません。

そのため介護士が現場で働き、看護師が指示を出す場面が多く見られるのが特徴です。

いわゆる病院での「医者と看護師」との関係と似ている部分があります。

しかし、この関係性、上下関係もなく平等に意見を述べることのできる関係のハズなのですが、

昔の医者と看護師との関係のごとく、看護師に対して自由な意見も言えず、看護師は介護士さんをコメディカルの1つとしてではなく、

看護師>介護士という関係性が成り立っている現場が非常に多いです。(全てとは言いません)

看護師>介護士の問題点

看護師>介護士」と、認識している看護師が多いため、介護士は介護現場でこそ本領発揮できる「ストレングスモデル」を十分に活用することが出来ず、

言いたい意見も言えずに、有益なディスカッションの土俵にすら立つことが出来なくなってしまっている現状が多いです。

介護士が看護師に頭ごなしに注意される事や、考え方を否定されることで萎縮してしまい、利用者への思いも伝えることが出来ず、

看護師との関係も険悪になり、自分の意見が反映されない。反映されないことでモチベーションも下がる。

結果、利用者さんに十分な介護・看護が行き渡らなくなってしまう。といったように負のスパイラルが誕生してしまうのです。

どうすれば良いのか。解決方法とは

介護現場で働いている看護師が、するべきことを以下の項目で解説します。

  • コメディカルの1つと理解すること
  • 考え方の違いがあると理解すること
  • ストレングスモデルについて勉強すること

コメディカルの1つと理解すること

まずは、看護師も介護士もコメディカルの1つであることを理解することです。

介護現場では、看護師は立場上、介護士に指示を出す事が多いですが、「看護師>介護士」という関係性ではなく、「平等」なのだと理解して下さい。

介護士は介護のプロなのです。現場を一番理解しているのは、介護士です。敬意をもって接しましょう。

考え方の違いがあると理解すること

自分たち看護師と介護士の思考モデルには違いがあることを理解しましょう。

介護現場では、その人の望むように生きるにはどうすれば良いのか。を考えることが最大の課題です。

その人の望む生き方に沿うことが出来なかったら、治療を辞めることも手段の1つです。私は社会福祉法人を通して看護師として治療の中断という選択を学びました。

医療現場では、なかなか経験することが出来ないことだったのかもしれません。

ストレングスモデルについて勉強すること

ストレングスモデルには、介護現場の課題解決のための大切なことがたくさん詰まっています。

つまり、介護現場で働いている看護師は「ストレングスモデル」について勉強し直すべきです。

そうすることによって、介護士の特性を知り、理解し合うことで素晴らしい相互作用が発揮されるのではないかと思います。

まとめ

僕が介護現場で働いて、最終的に目指すものとは、

「自分の親を任せることが出来るか」

自分なりに行き着いた答えがこれでした。

これが、とてつもなく難しい。看護師だけの力じゃ到底叶える事が出来ないんです。

叶えるためには、介護士の協力が必要不可欠です。そのためには、自分たちがまず、相手のことを理解する第1歩として、今回の内容を踏まえて貰えればと思います。

みなさんが、素敵な介護施設を作れますように。素敵な職場になりますように。

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