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病棟看護師が訪問看護へ出向する?訪問看護出向事業とは。

どうもDJ看護師です!

治療期間の短縮・早期治療、早期退院が加速している昨今で、在宅で生活している患者さん利用者さんが溢れかえっている現状があります。

そこで活躍するのが「訪問看護」になるのですが、訪問看護ステーションが増加していると言われている現在でも看護職の約3%程度とに留まっており、今後は地域で訪問看護に携わる人材をどのように増やしていくかが大きな課題となっています。

私のステーションでもなかなか訪問看護師の募集をかけても来てくれる看護師さんはほとんどいません…。知り合いの看護師さんに声をかけてみるのですが「まだ私には早いかな〜」って意見がほとんどですね^^;

今月の看護協会が発行している「協会ニュース」の特集で組まれていた「訪問看護出向事業を通じた地域の看看連携強化」をキッカケに訪問看護出向事業ガイドラインなるものを読ませていただきました。

簡単に説明すると訪問看護師の人材確保のための事業なのですが、病院も訪問看護ステーションも出向する看護師さんにとっても、「まだ早いかな〜」なんて思っているけども学びたい看護師さんからするととても良い取り組みであると感じましたので解りやすくまとめてみました。

訪問看護出向事業とは?

訪問看護出向事業
病院の看護師が一定期間、病院に在籍したまま地域の訪問看護ステーションに出向して一連の訪問看護業務を実施することにより病院及び病院看護師にとっては院内の看護ケアや退院支援機能の強化に役立つスキルアップ訪問看護ステーションにとっては多様な看護人材の育成・活用力の向上が図れる仕組みです。

平成29年厚生労働省老人保健健康増進等事業「訪問看護出向事業ガイドライン」より

と、あるのですが簡潔に解釈すると

病院または病棟看護師は⇒ 看護ケアや退院支援機能の新たなスキルアップ

訪問看護ステーションにとっては⇒ 人材の育成のスキルアップと即戦力の確保

が期待できる!といったところですね。

私は病棟を経験した後に訪問看護に従事しているため気づくことがあるのですが、病院を退院した患者さんが地域で生活している実際を目にして

「自分が病院で行っていた退院調整(内服管理の自己管理指導や歩行指導)や退院時カンファレンスは机上の空論でしか無かったんだなぁ」と痛感したんです。

やはりその思いから考えると病棟看護師が訪問看護ステーションに出向するという事はとても有意義な時間になると今だから思えます!

訪問看護出向事業のメリット

病棟看護師のメリット

  1. 在宅療養可能な患者像の広がり
  2. 利用者本位の看護の実践
  3. 在宅療養者を支えるサービスや他職種との連携・調整力
  4. 病院の看護ケアや退院支援に対する課題認識

訪問看護出向事業ガイダンスより

実際に私も、病院で行っていた退院指導などで

ここまで出来るように(改善)改善しないと家には帰せない

という指標が、

「足りない部分はサービスで補うことが出来る」

とサービスの質や種類などを学ぶことが出来ていますし、やはり在宅療養している患者さんの実際の情報を聞くのと実際に目にする事では雲泥の差があります。

病棟で患者さんに「内服カレンダー」を使用して退院指導良くしませんか?内服の自己管理が出来ないと困るので一生懸命入院中に患者さんに覚えてもらいます。

私もサマリーで「内服カレンダー」の使用良好。内服忘れなく自己管理良好。と書いてあるんで初回の訪問で確認すると今まで自宅で使っていたであろう謎の箱で内服の自己管理しているんです。(笑)

これって患者さんは何も悪くなくて、どこでどうなってこの経過をたどったのかわからないのですが、細かいことで言うとこんな事よくあるんです(泣)

この件で言うと結果内服管理ができていればいいのですが、この人がその謎の箱を使用していたか否かの確認って病棟にいると本人に確認する他ないんですよね(現場レベルでいうと)。

そこでやはりキーパーソンになってくるのがケアマネージャーなんですよね。(厳密に言えば他にもいますが)

病棟ではケアマネージャーと直接仕事をすることはほとんどありませんよね?退院時カンファレンスくらい。ケアマネージャーは在宅での生活を支えるには本当に大きな存在の1つと言えるでしょう。

その重要さが他職種との連携調整や直接関わることで理解することが出来るでしょうし、患者さんの退院後の生活背景を把握するための選択肢を増やすことが出来る。

つまり、ここで言う謎の箱の正体を入院中に解決することが出来るようになるんですね(笑)

訪問看護ステーションのメリット

  1. 訪問看護の理解の促進、魅力の発信
  2. 病院と訪問看護ステーションの連携強化
  3. 訪問看護を実践できる看護人材の育成・活用

訪問看護出向事業ガイダンスより

出向事業によって病院との接点が増えることや看護師に向けて訪問看護の魅力を発信する場となります。

接点が増えることによって意見交換や情報共有が進み病院側に訪問看護ステーションのニーズを具体的に伝える事ができ、退院支援や退院調整の円滑化などが期待できまね。

つまり、今までは退院時カンファレンスでぜ~んぶの情報を共有しよう!としていましたが、そんな必要別にないんです^^;

気になることがあったらその都度確認したっていいし、なんなら相談してくれても構わないんです!「これって在宅で対応できるかな?」ぐらいラフな感じで。

病棟で退院調整する中で訪問看護ステーションやケアマネージャーに中間で都度連絡をして確認する。なんて選択肢はあなたの病院ではありますでしょうか。やってるというのであればそれはとても素晴らしいことです!

しかし、現実はまだまだハードル(見えない壁)が高いかと思います…。

訪問看護出向事業で病院と訪問看護ステーションの距離が近くなったら今までありえなかった上記の内容だってもしかしたら叶うかもしれませんね。

病院のメリット

  1. 病院・病棟の機能強化や看護教員のスキルアップへの還元
  2. 訪問看護ステーションとの連携強化
  3. 病院や病棟看護師の役割を地域にPR

訪問看護出向事業ガイダンスより

出向者が訪問看護を通じて学んだ成果を院内で共有・普及していくことにより、病院のシステムや看護業務の見直し病棟看護師によるケアや退院支援力の底上げが出来ます。

看護師の出向と研修の違いは?

今回「出向」という言葉を何回も使っていたのですが、わたし達が今まで行っている「研修」や「出張」などとの違いはあるの?という疑問が出てくるのですが、その点についても分かりやすく解説します。

*ちなみに私は「出向」と「左遷」が同じ意味で捉えていました(謎)

出向と研修の違い *出向者(看護師さん)

出典:訪問看護出向事業ガイダンス

短期間の「研修」では在宅の現場を体験する事が中心であり、訪問看護などのサービス・資源を活用して在宅療養できることに看護師が「気づく」事が主な成果と言えます。

今回の訪問看護ステーションでの「出向」では 気づき から更に進んで、利用者の個別性に配慮したケアや指導、個々のケースによって様々な他職種との連携など実践を経験した上で「考える」力を鍛えることを目的ともしています。

つまり、出向事業では「病棟の看護師」ではなく、そこに責任と自覚を持った上で「訪問看護師」として働く。ということになります。

今までは、訪問看護をしてみたい!と思っていても病院に訪問看護部があったとしても部署異動という形でハードルが高かったと思います。

病院に訪問看護部が無かった場合は、病院を退職し訪問看護ステーションやそれらの事業所に再就職をしなければならず、さらに高いハードルだったかと思います。

しかし訪問看護出向事業では、病院と契約を続けながら「研修」という形ではなく「訪問看護師」として責任を持って働くことができるため、

自らのスキルアップを図りたい看護師さんや病棟でまだまだ学びたいことがあるが訪問看護でも学びたい!と思っている看護師さんには本当に良い制度なのではないかと思います!

出向と研修の違い *出向元(事業所)

【研修の場合】

受け入れ先と契約を結んでいないため、訪問看護ステーションで研修をする病棟看護師は、訪問看護ステーションの職員ではありません。そのため、病棟看護師が行った訪問看護業務について、訪問看護ステーションが診療報酬や介護報酬を請求することはできません。

【出向の場合】 

病棟看護師は訪問看護ステーションとも労働契約を結んでいるため訪問看護ステーションの職員として単独の訪問看護業務を行うことが可能です。訪問看護ステーションは出向者が行った業務について診療報酬や介護報酬を算定することが可能です。

この点に関しては、社会福祉法人や公益財団法人など医療法人(病院)ではない事業所は、営業思考が強いため、そこの訪問看護師の業務形態や採算の問題で敬遠されるだろうと予測できるのですが、

診療報酬や介護報酬を算定することができるという点で、即戦力・人員の確保という視点で受け入れのハードルが下がると考えられます。

また、病院と連携を持つことで自分たちの訪問看護ステーションをアピールする事で後々患者さん(利用者さん)を任せてもらえるような場となると考えることができますね。

病院と訪問看護ステーションを繋ぐコーディネーターの役割

出典:訪問看護出向事業ガイダンス

上の図は病院(出向元)訪問看護ステーション(出向先)病棟看護師(出向者)の3者での成り立ちを図にしたものなんですが、ここに「コーディネーター」が介入します。

訪問看護出向事業でいう「コーディネーター」とは、病院と訪問看護ステーション双方の組織的な特徴や課題、看護師の業務内容の違いなどを把握した上で、双方にメリットのある出向の仕組みを調整などを行います。

この「コーディネーター」が介入することで病院と訪問看護ステーションのマッチング、出向条件の調整、出向期間中の情報共有などがスムーズに進めることが出来ます。

「コーディネーター」という方がいることで病院と訪問看護ステーションを繋いでくれ、訪問看護ステーションとの契約まで関わってくれるため、病棟の看護師さんは安心して自分のスキルアップのために勉強しながら仕事をすることができますね。

まとめ:訪問看護出向事業は看護師の学びの最適の場になるかも

・病棟看護師は、在宅生活が可能な患者像が広がることで退院指導や調整など実践に通用するスキルを身につけることが出来る。

・訪問看護ステーションは、病院との連携強化・人材の確保・訪問看護の魅力のアピールをすることが出来る。

・病院は、出向者が院内で普及することで退院支援の底上げや退院調整の円滑化が期待できる。

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