どうもDJ看護師です。
今回は仕事のできない新人看護師の特徴。というテーマです。
あまり表現としては好きではないのですが、まぁわかりやすく表現するとこんな感じです。
しかし、仕事ができないのは前提なのが新人ですのであしからず。
そして、まさに私の振り返りを今からするようなテーマです。(笑) 自分のことを差し置いて偉そうに論じます。
看護師業務ってイレギュラーの宝庫じゃないですか?
病棟勤務でも1日の始まりに必ず自分の受け持ち患者さんの1日のスケジュールを確認して、
自分のタイムスケジュール表って作成しますよね?新人時代は必ずと言っていいほどみなさんがやっていたと思います。
そこに、業務中にイレギュラーが入るとそのタイムスケジュールを組み直さなければならないという、割と高度な作業を看護師さんたちは日常的にかつ当たり前のように行っているのですね!
慣れてくると、頭の中でタイムスケジュールを組むことができるのですが、私はそんな高度なとこはできず、必ず仕事を落としてしまうので中堅になった頃でもタイムスケジュール表を作っていました^^;
「こんな事絶対無理!」って思っていたのですが、何年も毎日繰り返していると人間できるものなんですね(笑) 私のプリセプター曰く看護師史上一番出来の悪かった私でも今や人並みにできるようになってます。
でも人間って得意不得意があるわけで、やっぱりスケジュール管理が苦手な人(看護師)もいるわけですよ。決して仕事ができない訳でもなく、人間的に欠落しているわけでもないんですが、、、
そんな新人看護師の特徴と教育方法を少しだけ掘り下げてDJ看護師なりに解説します。
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仕事のできない新人看護師の特徴
- 頼まれた仕事を忘れてしまう。
- 提出期限を守れない。
- 仕事の効率が悪い。
- テンパってしまう。
簡単に要点だけまとめると4つの特徴が伺えます。
では、それら特徴の仕事ぶりとマネジメント方法をあわせて考えていきましょう。
①頼まれた仕事を忘れてしまう。
頼まれる仕事って色々と種類があると思うんですが、最初に書いたようにイレギュラー業務ってこの類に分類されると思います。
イレギュラーが発生して仕事がおろそか(落とす)になってしまう新人看護師は、
そもそもタイムスケジュールがしっかりと組めていないのか、
タイムスケジュールにイレギュラーを組み込むことができないのか。
主にこの2通りになると思うのですが、デスクの上が汚い人や、ロッカーが汚い人、自分用のファイルが色々な書類がひっちゃかめっちゃかになっている人は
基本的に物事の整理が苦手な方が多い傾向にあるようでどうしても仕事を落としてしまう傾向にあります。というよりも、割合として多い印象です。
では仕事を落としてしまう新人にどのように教育するでしょうか?
まずは、タイムスケジュールの組み方とイレギュラーが入ったときの優先順位の決め方の確認と指導。そしてプリセプターなどが落としの無いように声掛けを行う。
こんな所に落ち着くのではないでしょうか?大体の病棟でこのような意見に落ち着いて、その繰り返しか、成果が見られない場合は先輩看護師がもう少し手厚くフォローする的な責任の所在をそちらに落とし込んで、会議や面談・指導は終了というパターンはあなたの職場ではないでしょうか?
これで新人がある程度成長してくれれば結果として、上記の教育内容で良かった。となるのですが、成果が見られなかった場合新人・指導者ともに消化不良になり兼ねないと思います。
指導される側も指導側ももどかしい状態に陥りがちです。それがフラストレーションに繋がってしまう要因になってしまうことも無きにしもあらずでしょう。
仕事を忘れてしまう新人看護師の指導方法
イレギュラーの例で考えてみましょう。
まずは、先程記述したように
- そもそもタイムスケージュールが組めていない
- タイムスケジュールにイレギュラーを組み込むことができない
この2点の側面を考慮したとします。
そもそもタイムスケジュールが組むことができない
そもそもタイムスケジュールが組むことができない新人看護師に対しては、その病院で使用しているタイムスケジュール表で良いので活用方法を今一度再確認する必要があるでしょう。
病院に決まったタイムスケジュール表が無ければ作成すると良いです。エクセルで作成するのも良いです。
決まった書式がなければ自分(先輩看護師)の使用しているタイムスケジュール記入方法を教えてあげてください。
人それぞれ違う方法でタイムスケジュールを作成しているかもしれませんが現場で効率を考えて洗練された先輩のタイムスケジュール表は理にかなったものになっていると考えられます。
落としてしまう新人看護師には自分のやり方を+αで教えても良いと思います。
その方法で新人がしっかりと成果をだ出す事ができたのであればしっかりと、アウトプットして来年の新人教育に行かせるように病院で統一できるようにしましょう。
タイムスケジュール表の活用方法を再確認後は、タイムスケジュールに記載する情報の収集の確認をします。タイムスケジュールを組む以前に必要情報を収集することができていない可能性があります。
1日の振り返りを行う際に「なぜ落としてしまったのか」という点を掘り下げる時は情報収集の方法から今一度振り返りを行うことが必要かもしれません。
タイムスケジュールにイレギュラーを組み込むことができない
この場合、タイムスケジュールにある仕事内容の優先順位が付けれていない可能性があります。
時間で行う仕事なのか、後回しにしても差し支えないのか。決定基準は「患者さんに不利益が被らない」ことです。
慣れてくると自分本位の優先順位を組んでしまうこともあります。それは新人看護師が悪いのではなく「患者さんに不利益が被らない」という優先順位の重要さを把握しきれていないか意識が薄いかなどです。
タイムスケジュールを組むことが出来ているのであれば、1日の振り返りを行う際はイレギュラーが起きた時間をしっかりと覚えておいてもらい、その瞬間の思考の整理を一緒にしてください。
そして、すぐに自分のタイムスケジュールに記載して視覚的に優先順位を行うようにするといいでしょう。
「そんな暇ない!」と思うかもしれませんが、時間としては1分です。このルーティンを時間にかまけて行うか、否かで思考の整理は劇的に変わります。
吸収の良い新人看護師ならなおさらです。これは、私が新人指導によく使用する方法です。
助けを呼べる環境
そしてもう一つ大切な事としては「助けを呼べる」と新人看護師に思えるように工夫することです。
経験上の話になりますが、イレギュラーが起きた際に自分で処理出来ないのに「助けを呼ぶ」事が出来ず、自分で処理しようとしたがために仕事が遅れる、落とす。という現象が比較的多い事例でした。
手の掛からない新人看護師を「優秀な新人看護師」と置き換える恐ろしい現象が、病棟でたまに見かけることがあるのですが、「助けを呼べない」だけで、少し効率よく立ち回れる新人看護師は、蓋を開けてみると空っぽだったりします。
それは、先輩看護師にとっては都合が良いですが、新人看護師にとってとても大切な時期の時間を有意義に過ごすことが出来なかった可愛そうな現象であり、病院の責任です。注意しましょう。
②提出期限を守れない
この件に関しては、注意喚起が必要です。仕事ぶりも注意して見る必要があります。
それっぽい理由を毎回付けるタイプと誤って終わりタイプがいます。あとはうっかりさん。
正直前者の2つはどちらも要注意です。なにが要注意なのかというと、自分の仕事を責任持って行うことができない。仕事中の優先順位も自分の気分や勝手な理由付けで変更してしまう可能性があるからです。
先ほども言いましたが、優先順位の決定基準は「患者さんに不利益が被らない」事です。
この基準を自分の都合で揺るがしてしまう可能性があるからです。
うっかりさんに関しては、声掛けを行い続けるほかないかと。それか、新人看護師に年齢が近い先輩看護師に同じようなタイプの看護師が取り巻きにいないでしょうか?
「適当にやれば大丈夫」「謝ればやらないで済む」などとそそのかしている事例もあります。気持ちが楽で間違った方向を選択してしまうのは人間として珍しくない行動です。
しっかりと観察して考察の上、感情に任せずに対応しましょう。
③仕事の効率が悪い
この問題はとても難しいです。新人看護師は悪くて当たり前だからです。みなさんは何をもって「仕事の効率が悪い」と評価しているかにもよります。
この問題に対しては対処法というよりも、考え方にフォーカスをおきます。
新人教育をするにあたってクリティカルパス的なものがあると思います。頑張ることでクリアできる内容となっているかと思うのですが、そのクリティカルパスを逸脱した時点で「仕事の効率が悪い」や「仕事ができない」という思考や雰囲気になるのは注意が必要です。
例えば、新人看護師のクリティカルパスから逸脱した新人看護師は果たして
頑張っていなかったのか。精神状態は正常であったのか。先輩看護師の協力体制や理解は十分にあったのか。
まず振り返る部分はそれらの点です。
問題抽出型思考の看護師は時に残酷な結果を招いてしまう事もあります。問題抽出型は他人に向けると追い込んでしまう事があるからです。
まずは、自分(指導者)や病棟・病院の体制の問題抽出を行い、新人看護師にフォーカスを当てるのはその後です。
そして、逸脱したからと言ってその新人看護師が劣っている(苦手)な部分を解決しようとせずに、良い部分(得意)に目を向けてあげてください。つまりストロングスモデルを使用していくのです。
クリティカルパスから逸脱したり、仕事が遅いなどと言った理由でそのようなレッテルを張ってしまうのは指導者として失格かもしれません。
看護業務は多種多様であり、そのうちの一つや二つ遅れただけでは、評価するに値しないからです。
ストレングスモデルについてはこんな記事でも触れています^^ 合わせて読んでみて下さい!
看護師と介護士は仲悪い?施設で見た関係性とその理由④テンパってしまう
テンパる 俗に、気持ちに余裕がなくなること、焦りや不安で満ちた気分になること、いっぱいいっぱいになること、などを意味する表現。 語源については「短気」「癇癪」などを意味する英語「temper」に由来するという見解や、マージャン用語でアガリの一歩手前の状態を指す「聴牌」(テンパイ)に由来するという見方など、諸説ある。出典:Wikipedia
極端に言うと、患者さんに急変が起こってしまったとします。新人看護師は必ずテンパります。そんな時先輩看護師の仕事ぶりを見てかっこいいと憧れたものです。
その憧れた先輩看護師も新人時代にはじめての急変にはテンパったでしょう。テンパったことのない看護師はこの世にいないのではないでしょうか。
では、新人看護師と先輩看護師は何が違うかというと、上に書いてある定義のように気持ちの余裕と焦りや不安が少ないのです。「今何をすべきか」を理解しているからです。
気持ちの焦りや不安は、どこから発生するかと言うと「わからない」から生産されるのです。この先どうすれば良いのか「わからない」何をしたら良いのか「わからない」
「わからない」という不透明で先が見えない状態が原因となるのです。
急変ではなく通常業務でテンパってしまう新人看護師も「わからない」が原因である可能性があります。不安でどうしたら良いのか、なにをしたらよいのか、ストレスがかかっている状態です。
そのため、何が不安なのか、何がわからないのか、どうしたらよいのか答えを教えてあげてください。このような状態の時に不必要に思考を煽ってはいけません。答えを教えてあげるのです。そしてどうしたら良いのか丁寧に教えてあげた上で、落ち着いてから振り返りを行うことをオススメします。
テンパっている時に「どうしたら良いと思う?」などと思考を煽るようなことは逆効果を生んでしまうかもしれません。
指導に大切な2つのこと
過度に期待をしない。
新人看護師さんを教育する過程で「①過度に期待しない」とこを大前提で関わることをオススメします。
残念ながら自分たちは新人看護師の気持ちに沿うことが出来ません。100%寄り添う事は絶対にできないと考えて良いかもしれません。
自分の辛い思い出やされた指導方法はどうしても記憶から遠くなってしまっているからです。こればかりは人間だから仕方のないことです。自分に残っている記憶も時間の経過と共に美化されてしまったり、過激になってしまいがちです。
良い思い出を新人看護師に行ってあげることはとても良いことです。しかし、先程も言ったように「過度に期待しない」事は大前提で、新人看護師も1人の人間なので感じ方も様々です。
完璧を求めない。
そして指導者は、「②完璧を求めない」ことを意識してください。
まず仕事上で大切なことは、患者さんに不利益が被らないことです。
もし新人看護師が失敗しても先輩看護師がフォローすることが出来たらそれはOKとみなしましょう。
そして新人看護師のリアクションを観察しましょう。もし、落ち込んでいたり反省の姿が確認できたらその新人看護師はことの重大さを認識している可能性があります。
ケロッとしていたり反省が見えなかったら、もしかしたらことの重大さを認識していない可能性があります。
そのリアクションに応じて指導内容や方法や掘り下げる範囲をきめ細やかに決定してください。決して感情的になってはいけません。その時点で指導ではなくなってしまいますので。
「完璧を求めない」は言い換えると「長い目で教育する」と同義語です。肩の力を抜いて、患者さんに不利益が被らない事以外の失敗は失敗じゃないくらいの気持ちでも良いかもしれません。
もちろん患者さんの命を預かっている看護師からすると、”そんな甘いこと言ってられない”と怒られてしまうかもしれません。しかし新人看護師をガチガチに硬めて完璧主義の元にスパルタ指導をしてしまうのは、今や逆に効率を悪くしてしまいます。負の感情は逆効果です。残念ながら総括すると誰も得をしないのです。
忙しい。人手が足りない。休みがない。負のサイクルを自ら作ってしまうのかもしれません。
指導者の立場から(まとめ)
指導者の立場からすると、年々新人看護師の質が…的なニュアンスの声をよく聞きます。
それは、先程も書いたように”自分に残っている記憶は時間の経過と共に美化されてしまったり、過激になってしまいがち”なのです。
もちろん時代によって多少の違いはあるかもしれません。しかし根本的なところは何も変わっていないはずです。
人間褒められれば嬉しいし、怒られれば悲しい。不本意なことを言われれば怒るし、嫌な気分になります。それは、今現在も何十年も前から何ら変わりない筈です。
今の新人をはじめから色眼鏡で見ることはナンセンスかと思います。
患者さんの観察は抜群なのに新人看護師への観察はおろそかな指導者は少なくありません。患者さんへの観察を新人看護師へ行うことで開ける道や解決できる問題は多いかと思います。
新人指導の評価はどうしても労働対価が見合わないものです^^; 勤務が合わないこともあるし、他の指導者のあとだと指導しづらいし、それが先輩ならなおさら。成長したとしても果たして自分の指導が功を奏したのか分かりづらいものです。
それでも自分の指導を評価してくれる上司がいれば救われますが、そんな素晴らしい上司がたくさんいるとも思えないのが現実です。
しかし、指導された側はしっかりと覚えてくれます。そして新人を卒業したら指導者の自分を評価してくれます。あなたが昔の指導者を評価しているように。
良い教えを指導者になった今でも覚えているように、あなたの指導はその新人看護師はいつまでも心に刻んでいてくれます。それがまた、あなたがやったように新人看護師が指導者となり、新人看護師に教えることになるのです。「私が新人の時の指導者は〜」なんて言って。
これは正のサイクルです。負のサイクルはわざわざ書きません。負のサイクルを伝統や当たり前なんて名目で受け継がないで欲しい。看護師という素晴らしい仕事で新人看護師の芽を摘まないように。